理事長挨拶

公益社団法人日本母性衛生学会 理事長 池ノ上 克

平成23年6月18日に開かれました一般社団法人日本母性衛生学会平成23年度第1回臨時理事会、ならびに第1回臨時総会にて理事長に選任され、この度、理事長に就任いたしました。

本学会は私にとっては産婦人科医として初めて全国発表した学会で、思い出深い学会であります。今後、与えられました重責を精一杯務めて行く所存でございます。前原澄子前理事長をはじめ歴代理事長を中心に、本学会発展のために取り組まれた会員の皆様のたゆまぬ努力の成果と本学会の伝統を絶やすことなく、さらに充実したものとなるように頑張りたいと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

本学会は昭和34年、当時のわが国の母体死亡が先進諸国に比べてあまりにも多い現実に心を痛められた森山豊先生や松本清一先生のお声かけで始まったと聞いております。当時の母体死亡はもちろん、母子保健に関する諸事情は極めて悪いものであったため、母子保健に係わる色々な職種の方が集まって、その改善策を模索する学会として発足したものであります。その後約50年の月日がたち、今日では会員数5,000名を超える大きな学会に成長しました。そして本学会には医師、助産師、看護師、保健師を始め、母子保健や女性の健康にかかわる様々な医療関係者が構成員となる学会の特徴的な精神はそのまま残されています。

その間、わが国の母子保健に関する統計的数値は飛躍的に改善され、諸外国に誇れるまでになりましたが、関連分野の医療を取り巻く環境は、今なお厳しい状況が続いています。時代の流れと環境の変化とにともなって、本学会への社会からの要求も多様化しており、妊産褥婦や新生児、また女性の健康に関する医療や保健の重要性は益々高くなっています。また、一方では良質な医療を提供するために必要な医療者側の体制整備も急務であります

このような社会の変化に対応できる学会として、その活動を推し進めて行くには会員一人一人が、専門性を高めるために研鑽を積むと同時に、その専門性をお互いに尊重し合いながら協働して取り組むことが望まれます。その結果新たな時代に求められる母性衛生学会の学術的活動がさらに活性化されることを期待したいと思います。

理事長 池ノ上 克

もうひとつの大きな問題として、学会の在り方を検討する必要がせまられています。全国各地で活発に活動が展開されている都道府県単位の母性衛生学会と、全国単位での活動を行う日本母性衛生学会との間の組織面や学術活動面での整合性をいかに図るかと言うことです。どのような形がわれわれの学会にふさわしいのかを探っていかなければなりません。このことは学会の法人としての社会的活動の問題とも深くかかわっています。そして同時に、学会員一人一人の利益につながる本学会のあり方も検討して参りたいと存じます。

もとより微力ではありますが、学会員の皆さまのご意見やご助言をできるだけたくさん頂きながら、少しでも前に向かって進む学会となるよう、全力を尽くしたいと思っています。皆様の積極的なご支援とご指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2011年6月